経営の考え方

 

現地のパートナーや住民の方々との信頼関係を一番大切にしています。(南スーダンにて)

株式会社JINが、会社を経営していく上で最も重視することは、お客様(クライアント、途上国の方々)へ提供する「サービスの質」をどう高めていくかということです。質の向上には、サービス提供を担う社員が、高い意識や優れた技術、やる気をいかに持つかが鍵となります。

 

株式会社は、株主、経営陣、社員、そしてお客様といった関係者の中で成立している組織体です。最近は、株主に対し最大の利益を確保するために、経営者は経営効率性を重視し、すぐにリストラなどを行うことを是とする、アメリカ型の会社経営の方針を良く耳にします。ただ当社では、そのような経営は目先の利益に傾注し、長期的な会社の強さを損なうものだと考えています。

 

地味ではありますが、より良いサービスを提供することでお客様に満足していただき、長くお付き合いしていただくことで、収益増を図っていくことが、会社を強くする一番の近道です。したがって、目先の利益よりも、5年・10年先のお客様との関係をどう築いていくかが重要となります。そしてそれを実現するためには、質の高いサービス提供の継続が必須なのです。

 

コンサルタント会社の場合、サービスは物ではなく、人(社員や経営者)が持つ知識や技術です。メーカーのように品物を製造するノウハウの蓄積は、当社にはありません。だからこそ、サービスの質の向上を実現するためには、会社は真摯に社員を育成し、継続的に支援する必要があります。また同時に、社員自身も高い向上意欲を持ち、自主的に自己研鑽し、質向上のために努力する必要があると考えます。

 

このため、株式会社JINでは社員に対し、自身が重要だと感じる長期で取り組むべき活動テーマを検討・選定してもらい、それを業務の一環として実施するように指導しています。そして会社は出来る限り、例えば業務指示による現地出張やその費用負担などを通じて、その取組みをバックアップしていきたいと考えています。テーマはアフリカの有機農業でも良いですし、東北の震災支援でも良いのです。株式会社JINが目指すものと接点があれば、柔軟にテーマを選択してもらいます。

 

短期的な収益増を考えれば、この取組みはコスト高となり、非効率のように見えます。ただし、こうすることで、社員のやる気や自主性の醸成に寄与しますし、長く特定の地域や人々と関わることにより、より精度の高い技術や知見を有することを可能にします。したがって、中長期的な視点で見れば、社員のやる気や意識を高めながら、技術開発と人材育成を同時にしていることになります。会社は、そこから生まれてきた技術や知見などの成果を会社の財産として蓄積し、他地域や他国のお客様にも提供したいと考えています。

 

また、更に重要な点として、社会貢献が挙げられます。すぐに利益を生まなくても、社会性の強いテーマに取り組むことは、公器としての会社の使命と考えます。収益を少し削ってでも、社会貢献を積極的に行おうとする会社には、同じ想いをもった人材が集まってくるでしょうから、これも良い人材を集めるための中長期的な戦略と言えるでしょう。

 

最後に、当社の経営の考え方と深く結びつく、株式会社JINのモットーを紹介します。

 

『人に交わり、人に学び、人に尽くす』

 

自分自身で作った殻の中に自分を閉じ込めることなく、いろいろな人と広く交友し、その方々からたくさんのことを学ぶことが大切です。また、そこで学んだことを活かしつつ、人の幸せのために真摯に尽力していかなければなりません。そういうことを、真剣に語り合える仲間を増やして、株式会社JINを更に強く楽しい会社にしていきたいと考えます。社員全員が円陣を組んで、世界一ワクワクドキドキする会社を創っていくよう、弛まぬ努力を続けていきたいと思います。