国際協力プロジェクト <中小企業海外展開支援事業>

JICA ネパール国森林利用グループに対する「みつまた」の栽培・加工技術に係る普及・実証事業

分野

林業、貧困撲滅

期間

2019年7月から2024年11月まで

「「みつまた」の栽培・加工技術の導入に係る案件化調査」(2016年から2017年)を通じて作成されたODA事業計画案がJICAに承認され、普及・実証事業として実施されることになりました。

 

日本の紙幣の原材料でもある「みつまた」は、ネパールの中でも貧しい人々が多い山岳・丘陵地域の森林に自生し、新たな植栽も難しくありません。そのため、日本の中小企業が有する質の高い「みつまた」樹皮の栽培・加工技術を現地の森林利用グループへ普及することで、新たな収入活動を創出し、グループの生計向上につなげること、そして、日本への良質な「みつまた」樹皮を安定供給するモデルの構築が期待されています。さらに、新たな手すき製品の開発や、その販売・輸出機会などを調査・分析し、日本のみならず、ネパール国内や他の海外市場を含めた将来的なビジネス展開のあり方も検討する予定です。事業実施にあたっては、郡森林事務所の政府職員とも協力し、グループがこの新たな収入活動に取り組む際に、技術指導や組織力の強化などの支援を行います。

 

郡政府関係者との協議の様子

森林利用グループとの協議の様子

技術研修の様子


 

JICA ミャンマー国 イ草の栽培および加工・製造技術の導入に係る案件化調査

分野

農業・農村開発、産業振興

期間

2016年11月から2018年10月まで

畳表や花ござなどの原材料である「イ草」は日本国内の栽培規模が大きく減少し、現在は中国が原材料の調達と加工・製造の主要拠点となっています。しかし、その中国でも近年の経済発展により農業離れや人件費の高騰が進み、日本のイ草産業の存続のためには新たな拠点の開拓が不可欠となりつつあります。

 

本調査では、イ草の栽培から加工・製造までの一貫生産のノウハウを有する日本の中小企業の知見を活かし、ミャンマー国内においてイ草の栽培技術を普及するためのODA事業の実施可能性を検証しました。現地でのイ草の試験栽培の実施、各種情報の収集や分析、政府関係機関との協議などの活動を通じ、現地住民の農業収入の向上と日本のイ草製品企業の拠点開拓に寄与しうるODA事業の計画案がたてられました。

 

政府関係者との協議の様子

イ草の植え付け前の様子

試験栽培地でのイ草の栽培


 

JICA ネパール国「みつまた」の栽培・加工技術の導入に係る案件化調査

分野

林業、貧困削減

期間

2016年5月から2017年5月まで

中国やヒマラヤ連峰が原産地とされる「みつまた」の皮は、歴史的に和紙の原料として知られており、近年は、日本の紙幣にも利用されています。

 

特に、ネパール産の「みつまた」は、現在の日本紙幣の主要原材料として必要不可欠なものとなっており、その生産量の安定確保が求められています。

 

本調査では、かねてから、貧困対策の一環として「みつまた」の栽培・加工をネパールで小規模に行なってきた日本のある中小企業の知見を活かし、ネパールの貧しい地方・農村部でODA事業の実施が可能かどうかを検証しました。各種情報収集・分析及び政府関係機関との協議を経て、「みつまた」のさらなる栽培・加工を促進するためのODA事業の計画案がたてられました。

 

「みつまた」加工プロセス(皮はぎ)

「みつまた」加工プロセス(洗浄)

「みつまた」栽培地